福井弁護士 これに対して、検索結果からの削除などはもう少し微妙です。検索結果はサイト名やリンクが表示されるだけですから、侵害コンテンツそのものではありません。リンク自体は、単に相手の場所を伝えているだけなので違法ではないというのが、世界的にも長らく通説とされていました。

 けれども、現代では検索結果の影響は非常に大きいですよね。そこで悪質な海賊版などは、DMCAに基づく申請があれば検索結果からも削除するよう対処していますが、必ずしもスムーズに削除されないケースもあります。たとえば、過去最悪といわれて昨年から社会問題化しているマンガの海賊版サイトは、現時点(2018年3月)でもその名称で検索するとグーグル検索のトップに表示されます。

――今後日本でも、ノーティス・アンド・テイクダウンが導入される可能性はあるのでしょうか。

福井弁護士 日本にもDMCAと似た「プロバイダ責任制限法」という法律が存在しています。DMCAのように、申請に基づく削除は行われているものの、仕組みはそこまで明確に決められていません。いわゆるグローバル・プラットフォームと国内事業者で従うべきルールが異なると対等に競争ができないため、公平な制度はどうあるべきかという「イコール・フッティング」の議論が盛んに行われています。企業の大量・機械的処理の必要と人々の権利や安全をどうバランスさせるかも含めて、現在政府でも検討が進む問題ですね。

インターネットを守るために
企業に求められる対応

――直近では、艦これの公式Twitterアカウントの凍結騒動のように、本来内容に問題がないコンテンツやウェブサイト等について、DMCAの制度を濫用・悪用し、虚偽の通告をする行為が報道されています。

辻氏 悪評の隠ぺいやビジネス上の競合への攻撃、好まない思想のネット上の情報の消去などの、DMCA制度の濫用・悪用が増えたことにより、プラットフォーム側の負荷が増大し、本来のコンテンツ権利者の申請が通りづらくなる問題も生じています。