福井弁護士 また、機械的・大量処理は必然とはいえ、同時にプラットフォーム企業はマンパワーによる個別対応をさらに格段に充実させるべきです。現在、世界企業の時価総額のトップ6まではこうしたプラットフォーム企業によって占められており、そのあげる利益額は莫大です。大きな力と利潤には、その負の側面に対応する公益的な責任を伴うでしょう。

辻氏 悪質なユーザーによって日々膨大な数の著作権を侵害したコンテンツが生成されています。現状、正当な権利を守るために早期かつ容易に削除できる仕組みは不可欠で、DMCAもしくは同等の存在は必要と考えます。

 ただ最新の状況を鑑みると「事前確認を行わずにコンテンツを削除したうえで、異議を出されると審査を行い復活する」という既存の仕組みだけでは悪用、濫用の問題を止めることはできません。その予防策として、DMCAでの義務とはされていないにもかかわらず、プラットフォーム側は事前審査を行っています。

 今後、機械学習等の技術によって、事前審査の精度が向上し問題が解決することに期待したい所ですが、それには時間がかかるでしょうし完璧にはなりえません。

 ですから、プラットフォームだけに頼らずに、DMCAの悪用を行う企業・個人と戦っていくしかありません。悪用の被害を受けた場合には訴訟などを起こすことや、ネットユーザーとして悪用を許さない姿勢を持つことが求められるでしょう。

福井 健策弁護士 骨董通り法律事務所
 
弁護士(日本・ニューヨーク州)/日本大学芸術学部・神戸大学大学院 客員教授 1991年 東京大学法学部卒。1993年 弁護士登録(第二東京弁護士会)。米国コロンビア大学法学修士課程修了(セゾン文化財団スカラシップ)、シンガポール国立大学リサーチスカラーなど経て、現在、骨董通り法律事務所 代表パートナー。 著書に「著作権の世紀」「誰が『知』を独占するのか」(集英社新書)、「エンタテインメントと著作権」全5巻(シリーズ編者、CRIC)、「『ネットの自由』vs.著作権」(光文社新書)、「18歳の著作権入門」(ちくまプリマ―新書)、「AIがつなげる社会」(弘文堂)ほか。 国会図書館審議会会長代理、「本の未来基金」運営委員、「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、think C世話人、デジタルアーカイブ学会理事、内閣知財本部など委員を務める。 http://www.kottolaw.com Twitter: @fukuikensaku
 辻 正浩 株式会社so.la
 
1974年北海道生まれ。営業、広告制作・Web制作を経てSEOの専門家として活動を始めた。株式会社アイレップでSEOディレクターとして業務を行った後、2011年に独立。株式会社so.la代表としてさまざまな規模・種別・業界のWebサイトに関わっている。特に大規模サイトのSEOを得意としており、複数の日本有数の巨大サイトのSEO担当として検索流入拡大に取り組んでいる。Webマスターと検索ユーザー、検索エンジンの三者が利益を受けるSEOを信条に活動中。

(本記事はBUSINESS LAWYERSからの転載記事です)