母親の8人に1人は
「虐待で思い悩んだことがある」

 子育てに関する時間的、精神的なゆとりについての調査も見てみたい。「平日のふだん、1日あたり何時間程度(睡眠時間を除く)子どもと一緒に過ごしているか」をたずねたところ、「2時間以上」と回答した保護者の割合は、ふたり親世帯が89.9%、母子世帯81.9%、父子世帯65.5%。子どもと一緒に過ごす時間は「1時間未満」あるいは「全くない」と回答した父子世帯は19.0%だった。

 また、「わが子を虐待しているのではないか、と思い悩んだことがある」と回答した保護者の割合を、母親が有業か無業かに分けてまとめると、ふたり親世帯(有業母親)8.4%、同(無業母親)12.2%、有業母子世帯12.4%、無業母子世帯18.8%、父子世帯7.1%という結果となった。ただし、「子どもに行き過ぎた体罰を与えたことがある」と答えたのは有業母子世帯10.2%、父子世帯7.1%、ふたり親世帯(無業母親)6.3%、ふたり親世帯(有業母親)5.9%の順で多く、無業母子世帯は5.4%と最も少なかった。それぞれの家庭によって育児で感じる“苦労”は異なり、どう表面化するかも異なると言えるのかもしれない。

母親の育児負担は増加の一途
社会全体が子育てへの関心と理解を

 筆者は子育てをしながら働く母親に定期的に取材を行っているが、彼女らが異口同音に口にするのが、「自分にとっては、仕事で育児のリフレッシュ、育児で仕事のリフレッシュができるので、両立をする方が楽」あるいは、「専業主婦の方が楽だと言われることがあるが、専業主婦と兼業主婦それぞれどちらも大変で、人によって向き不向きがある」という内容だ。

 1日中、子どもとだけ向き合う生活を辛いと感じる母親もいる。母親が外に出て働くことは、経済的な負担のみならず、母親の精神的な負担を軽減する側面もあるのだろう。子どもにとっては親と過ごす時間が一番という考えはもっともだが、核家族化、景気の悪化、待機児童問題など時代の背景によって専業・兼業、ふたり親・母子世帯にかかわらず母親(父子世帯の場合は父親)への育児負担が増している事実は社会全体で共有されるべきだ。「不充分だと思われる国・会社の支援」について、最も多かったのはふたり親世代が「保育園・学童保育の拡充」、母子世帯・父子世帯は「就業時間の配慮」だったことからも、行政や企業による子育て支援もまだ不十分といえるだろう。

 先日、ネット上で若い母親が「父親が毎日23時帰りの激務」と書き込んだのに対し、同世代の男性が「23時帰りは激務ではない。むしろ早い方だ」とコメントしているのを目にした。幼い子どもを持つ父親が23時に帰宅することを嘆くことすら批判の対象となる日本はどこかおかしい。育児に対する関心と理解が、子育て世代以外にも広がることを期待したい。

(プレスラボ 小川たまか)