自分が仕事をしていることで、教育が疎かになってしまうのでは――。女性の社会進出が当たり前になった社会では、子どもの教育問題で懸念を抱く働く女性は少なくないだろう。我が国の女性の労働力を年齢階級別にみると、働き盛りの30歳代における就業率は低く(『平成21年 男女共同参画社会の形成の状況』内閣府)、未だに結婚、出産、子育て期に就業を中断している。子育てが始まれば、保育だけでなく教育を担うのも女性の役割という考えが未だ強い日本で、子どもの教育に力を入れたいならば、仕事を諦めざるを得ないのが現実なのだ。
しかし、そんな教育熱心な共働き世帯のニーズに応えてくれる幼児園がある。それが東京・晴海にある「JCQバイリンガル幼児園」だ。同園は、保育園と幼稚園としての機能を併せ持ち、さらに日本語と英語を中心としたバイリンガル教育に力を入れている。
そこで今回は、石黒不二代社長のスタンフォード・ビジネススクール時代の同級生であり、幼児教育とは無縁と思われるファイナンスの世界から幼児教育の世界に飛び込んだ若山健彦園長に、同園の魅力と日本の幼児教育が抱える課題について話を聞いた。
懸命に働くほど、子どもの教育が疎かに!?
ワーキングマザーたちの大きな不安
石黒 私の周りには海外などで活躍するワーキングマザーがたくさんいるんですけど、最近、彼女たちは子育てをどうすべきかで頭を悩ませているんですね。保育園に行かせれば教育を受けられないし、幼稚園だと仕事をしている自分の時間と合わないし…って。高等教育を受けている人が多いので、自分が働くことで、子どもの教育ができないことに、罪悪感さえ感じているようなんです。幼稚園の時間帯に合わせることができるのは専業主婦の方との、(状況として)ギャップも感じているようです。
若山 まさにそのキャリアを積み重ねてきた働くお母さんたちの悩みを解消しようとするのが、うちの園なんです。通常の保育園は0歳児から預かりますが、われわれは1歳半からを対象にしている代わりに、乳幼児を預かる基本保育機能を持ったうえで、母国語である日本語と英語を同時に学ぶバイリンガルの幼児教育を行っています。
石黒 すばらしいですねー。私は子どもが生まれた後にアメリカに渡ったのですが、それは「日本では働きながら子育てなんてできない」と思ったのが一番大きな理由なんです。実際に、何時から何時まで預かってくださるんですか。