足元の株式市場は全体的なかさ上げ相場となっている。米国景気回復期待や、欧州債務問題への懸念の修正と円安が株式市場に安心感をもたらしている。
毎年の傾向で言えば、3月期決算企業の本決算発表時期である4月中旬付近から相場や物色対象が転換するケースが少なくない。それまで業績への期待で株価が上昇してきたものの、実際に企業から決算見通しが発表されることで、投資家が「実態」に目を向ける場面となるからだ。
筆者は4月中旬からは、PER(株価収益率)の低い銘柄の選別傾向が強まるとみている。企業価値や株主還元姿勢などを重視しつつ、銘柄を慎重に選別すべきだ。
配当利回り(1株当たり今期予想配当÷株価)が4%以上の銘柄の中で、ROE(1株当たり来期予想純利益÷株価)が10%以上の銘柄に注目したい。足元の配当利回りが高く、来期の業績もある程度期待できる銘柄である。