「英語の成績が良い子」が「勉強のできる子」でなくなった理由Photo by Takeshi Kojima

2020年東京オリンピックでの「おもてなし」に向けて、“英語ファースト”の時代が訪れている。「いまの時代、英会話ぐらいできないと」、「英語は早いうちから学んだ方がいい」と言われるが、『その「英語」が子どもをダメにする』(青春出版社)の著者・榎本博明氏は、そんな思い込みが蔓延する英語“偏重”な教育現場に警鐘を鳴らす。

「英語ができる=勉強ができる」は、もう古い!

 昨年、子どもにやらせている習い事ランキングで、英会話は第2位だった。また、近年では幼児向けの英語教室や英語教材が増えており、空前の英会話ブームが続いている。

 昨年末、2019年度の都立高校入試から英語の「スピーキングテスト」を導入する方針が発表された。さらに2020年度の大学入試改革でも、英語のスピーキング力は重要視されるだろう。そうなると、ますます英会話の早期教育熱に拍車がかかることが考えられる。

 世の親たちが、小さいうちからわが子に英会話を習わせる理由の一つとして、英会話ができることが知的でかっこいいと思っているからではないだろうか。たしかに、かつては「英語ができる子」は「勉強ができる子」でもあった。しかし、そんな親世代の過去の経験が大きな勘違いを生んでいるのだ。