また、孫氏の英語のスピーチの90%以上は、日常会話でよく使われる基本的な語彙でカバーされているため、難しい単語を使っているわけではないという。

 一語一語区切り、ゆっくりしゃべる。語彙も豊富ではなく、難しい単語も使っていない。それでも孫氏のように、海外企業の大物や政治家と対等に交渉し、ビジネスでの会話を成り立たせることは可能なのだ。

 また、ビジネスで交わされる英語の大半が、いまやネイティブ英語ではない。世界で最も通じるのはスリランカなまりの英語であり、アメリカ人の英語はあまり通じないというのが現実だ。日本語なまりの英語も非常に通じやすいという。

 これらのことから、ビジネス英語で大事なのは、ネイティブのように流暢にしゃべれることではなく、話す中身の説得力であることがわかる。

 もし私たちが外国人と仕事をすることになった時、日本語はペラペラだけど会話の中身がない人と、カタコトの日本語しか話せないけれど中身のある会話ができる人とどちらと仕事がしたいかといえば、いわずもがなだろう。

 それと同じで、私たちが英語ネイティブのアメリカ人と話す時に、こちらがたどたどしい英語で話したとしても相手は特に気にしないはずだ。

 英語力に対する自信のなさから、つい話し方や発音を気にしてしまいがちだが、それではせっかくの機会をムダにしてしまうかもしれない。最も重要なのは“話す中身”だということ、そして、そのために優先すべきは英会話力ではないことを、これからのグローバル社会で生きていく子どもたちにはきちんと教えるべきだ。