子どもを国際社会で活躍させたいなら英語早期教育は逆効果な理由かつての日本人は、英語の授業で文学や評論に親しみ、文化的な香りを楽しみながら英語を学んでいた(写真はイメージです)

2020年東京オリンピックでの「おもてなし」に向けて、“英語ファースト”の時代が訪れている。「いまの時代、英会話ぐらいできないと」、「英語は早いうちから学んだ方がいい」と言われるが、『その「英語」が子どもをダメにする』(青春出版社)の著者・榎本博明氏は、そんな思い込みが蔓延する英語“偏重”な教育現場に警鐘を鳴らす。

小さい頃から英会話を学ぶと、
日本語が弱くなる!?

 グローバル化の時代もあって、「わが子には英会話くらいできてほしい」と幼稚園や小学校低学年から英語を学ばせる親が最近増えている。それにともない、幼児向け英会話教室や英語教材も大人気だ。

 子どもにできるだけ早い時期から英語を習わせたい親には、次のような考えを持っている傾向があると榎本氏はいう。

(1)親自身、英語が苦手で、英語ができる人をすごいと思っている。
(2)英語の成績はよかったが、英会話はうまくできなかった。
(3)親自身、英会話が得意で、優越感を持っている。

 いずれにせよ、「自分の子どもには英語に強くなってほしい」という親の並々ならぬ思いから、つい昨今の英会話ビジネスに乗せられてしまうのである。