インバウンドの主役である中国人観光客が次に向がいそうな意外な場所とは――。これまでは東京・銀座からスタートして箱根、富士山、京都、大阪という“ゴールデンルート”を巡る観光ルートが中国人観光客の定番だったが、それも段々と色あせてきている。(フリーライター 飯田義夫)
中国人観光客が好みそうな
意外な観光先の有力候補とは
最近の中国人観光客の行動は、大阪の関西国際空港に入りユニバーサルスタジオで遊び、道頓堀で大阪のグルメを満喫するという“コンパクト型”が流行っている。そこにはSNS(交流サイト)で次から次へと新観光先を共有するインバウンドの姿が浮かび上がる。
お陰で大阪の百貨店は化粧品や高級ブランドの売れ行きが好調でウハウハの状態であり、「インバウンドバブルに沸いている」(大手百貨店)。そんな移り気な中国人観光客が次に訪れそうなスポット探しに、国内の観光業界も血道をあげている状態である。
リピーターが増えている中国人観光客の中には、農村や漁村という日本の原風景を追い求める旅も選択肢に加えている人もいるようだが、そんな中国人観光客の次の観光先の有力候補として浮上しているのが「町工場」の見学だ。
「バチバチ」という酸素アセチレン溶接の飛び散る火花や、「ウィーン、ウィーン」と機械音を上げて稼働する工作機械など、そんな町工場に足を踏み入れた時、身近に迫る迫力に「多く観光客に感動してもらえる」(町工場の観光に力を入れる中小企業の幹部)というのだ。
これまでの工場見学というと、大企業の整備された見学ルートで係員の誘導に従って見学するのが主流だった。