東京港区に学べ!賃貸住宅でも防災対策は「原状回復義務免除」をみなさんのご自宅では家具の転倒防止策をしていますか?(写真はイメージです)

春といえば引っ越しシーズン。引っ越しはものを減らせるチャンスでもあり、家具を置くにあたって、転倒防止を考えるきっかけとなります。そこで今回は家具の転倒防止対策について、アウトドア流防災ガイド・あんどうりす氏が解説します。

 引っ越しはものを減らせるチャンスでもあるので、家具を置かない選択もできます。家具を置くとしても、転倒防止を実施しやすいですからね!で、家具の転倒防止対策としては、以下の記事を書きました。

■「賃貸住宅の家具転倒防止対策に希望が!港区の先進的な取り組みをご紹介します!!行政担当者も必見!実は条例も規則も変更していません!

 賃貸の場合は、原状回復義務を負っているので、家具の固定ができなくて困っているという問題がありました。退去時傷をつけないとうたっている商品でも万が一のことを考えると設置できないと思われる方が多数です。

 でも、クーラーのネジ穴は賃貸物件であっても開けることができます。クーラーは常識なので、通常損耗とされているからです。であれば、防災も常識だよね?壁の傷より命が大事では?ということを、東京都港区にお伝えしたところ、区営物件など区に関連する物件について、入居のしおりを変えただけで、防災のための家具の固定は原状回復義務が免除されることになりました。

 この港区の政策発表からもうすぐ1年になりますが、残念ながら他の自治体で実施したよーというお声を聞きません。何度も言いますが、入居のしおりを変えるだけなんですよ。予算0円で実施しているので、とってもハードルが低いのです。港区の入居のしおりに書かれている文章は以下です。

「工作物設置許可申請書を提出し、工作物設置許可を受けることで、家具転倒防止器具設置による傷穴については退去時に現状に復することを免除します。”