中古成約のエリア分布に対して、新築はかなりバラける。中央区・品川区などは相対的に新築が多いが、中古になって1億円以上で売れない可能性が高い。ここでたまたま新築供給が多くなっているのは、売主側の商品企画と価格設定都合以外の何者でもない。この他、文京区、杉並区、大田区、台東区、墨田区などでは、億ションは原則やめておいた方がいい。たとえいい立地でも面積を狭めて1億円を超えない水準の価格に抑えるのが賢明だ。

 あるエリアのマンション価格の上限値という意識は市場では重要で、それ以上は需要がなくなってしまう水準だ。その水準を超えると、いつまでも売れなくなる可能性がある。エルメスのバーキンの相場上限が100万円なら、120万円の価格設定をするのは無茶というのと同じだ。

億ションの中古成約が多い駅は?
住人は使わないけどやはり人気の尺度に

 中古で1億円以上の成約が多い駅は浜松町駅が1位になる。港区ではあるが、これは意外だと思う。これは駅の価値ではなく、特定の物件の価値が大きい。駅は立地を示しているだけで、億ション住人の電車利用頻度は低い。

 とはいえ、駅が示す周辺エリアのブランド力は億ションに大きく影響する。2位の広尾、3位の麻布十番、5位の赤坂、13位の表参道、18位の神谷町は、頭文字を取って「3A地区」と呼ばれる麻布、青山、赤坂を指している。これ以外にも、6位の白金高輪、10位の高輪台、17位の目白、21位の白金台、26位の半蔵門などの駅はその代表格に当たる。

 中古成約戸数の駅ランキングトップ30には山手線の外側の駅は少ない。7位勝どき、14位二子玉川、16位代官山、19位月島、24位みなとみらい、27位豊洲、28位中目黒、30位代々木上原の8駅に過ぎない。これらの駅周辺の物件には特徴がある。タワーが多いことだ。

◆図表3:駅別中古成約戸数ランキング

いまどき「億ション」人気の裏側、激しい浮沈を見抜く3つの視点(出典)スタイルアクト
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