自然とともに暮らすことは、恵みに近づき、災いに近づくということ。しかし、日本では災害が人為的にあるレベルまでハードで取り去られ、自然の恵みをもらうことだけに慣れてしまっている。これは非常に大きな問題です。

 日本は災害大国であると同時に防災大国であるがために、100年に一度の確率の災害を抑え、やりすごす知恵と共同体知識がありました。しかし、そのために完全無防備になったところを襲ったのが今回のような100年に1度の確率を超えた巨大災害でした。人為的に高められた安全は、ヒューマンファクターの脆弱性を高める。つまり、過保護な母親のもとでひ弱な子どもが育つのと同じです。

 日本の子どもは、自分が誰かに殺められる危険性なんて感じたことがないでしょう。そんななかで自分の命は自分で守りなさいと言っても、実感としてわからない。日本は子どもに自分の命を自分で守るシンプルなことを教えるのが難しい国ですが、それを乗り越えて、私はこれからも防災教育をしていきたいと思っています。