英語版を読む→

エストニアでは電子政府化が進んでいる
世界遺産でもあるエストニアの首都タリンの旧市街地。牧歌的な景色からは想像できないほど電子政府化が進み、世界でも先端的な施策を次々と打ち出している

「シリコンバレーですら遅れているのではないか」。前回、そう指摘したのも、世界各国で米シリコンバレーを超えるような新しいエコシステムが出来上がりつつあるからです。

 シンガポールにイスラエル、中国の深センにフランスのパリ……。世界ではシリコンバレーのモデルをまねしながらも、独自に新しい企業や産業を生み出す仕組みをつくっています。もちろん、小さいながら日本も同様です。

 そんな中、僕がかなり衝撃を受けたのが欧州のエストニアです。エストニアはバルト三国の一つで、人口はわずか約130万人と、沖縄県と同じ規模です。首都タリンの旧市街地といえば世界遺産に登録され、ロールプレーイングゲーム「ドラゴンクエスト」に出てきそうな、中世の趣を残した町並みが広がっています。

 ですが、その小国が今後、世界で最も優れた人たちを集めるのではないか。そう思わせるほどに今、世界的に先進的な施策を次々と打ち出しているのです。

 有名なのが「e-Estonia(イーエストニア)」と呼ばれる電子政府化の取り組みです。彼らは1997年から行政システムの電子化を掲げています。国民のIDを利用することで、行政サービスを全てオンラインで受けられるように整えてきました。