また、内閣人事局はゼロからいきなりできた組織というわけではない。その前身は、人事院の一部、総務省行政管理局の査定(組織や定員の管理)部門、人事・恩給局の旧人事局関係部門であり、幹部人事に関する事務等が新たに設けられてはいるものの、基本的にはこれらが統合されてできたと言っていい。

 別の言い方をすれば、分散していた国家公務員人事制度に関する組織および権限を、一つの組織に集中させ、強化したということである。

「忖度」を生むのは
内閣総理大臣や官房長官との関係?

 これだけ読むと、単に役人が権限を強化しただけで、官邸への「忖度」とはなんら関係ないかのように思われてしまう。

 だが「忖度」、それも過剰な「忖度」を生む原因とされているのは、内閣人事局と内閣、特に内閣総理大臣や官房長官との関係である。

 幹部職員となるためには内閣総理大臣による適格性審査を経ることとされており、その結果、幹部職員として必要な「標準職務遂行能力」を有していると判断されれば、幹部候補者名簿に掲載される。

 この名簿から各府省の幹部が任命されることになる。「適格性審査」は随時行われるので、場合によっては幹部候補者名簿から外されるということも起こりうる。こうした内閣総理大臣の権限は内閣官房長官に委任することができる。各府省の人事権者は各大臣であるが、幹部職員の人事については内閣総理大臣および内閣官房長官と協議した上で行うこととされており、幹部人事は大臣の一存で決められない仕組みになっている。

問題とすべきは
幹部職員の「位置付け」

 このように国家公務員の幹部人事については、微に入り細に入りと言っていいほど、内閣総理大臣や内閣官房長官が関与するようになっている。