優秀なエリートには共通点がある。彼らは「真面目に、我慢して、一生懸命」ではなく、「ラクして速く」をモットーに、効率よく結果を出し続けている。まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない。24年間で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6000人を超えるリーダー・幹部社員を選出してきた松本利明氏の新刊、『「ラクして速い」が一番すごい』から、内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)
我流でコツコツやる前に、
あなたがすべきこと
コツコツ実績を積み上げていくことは大切です。
しかし、ただコツコツ積み上げるのには時間がかかります。どうせ積み上げるなら、ラクして速く積み上げたいものです。
私は、目覚ましい実績を積み上げている人たちをコンサルティング現場で1000名以上見てきました。
ポイントは「虎の威を借り、ショートカットで自らも虎になる」。決して「狐」になってはいけません。
影響力のある人やその道の第一人者に弟子入りすることで、より多くのチャンスをつかみ、その人たちの思考や習慣を身につけましょう。「弟子にしてください」「あなたのもとで勉強させてください」と直球でいくのが一番です。
事実、できる人の近くにいると、自分1人でコツコツやっているときよりチャンスが訪れます。仕事のおこぼれがまわってくるわけです。できる人の代わりですから、身の丈以上の役割がまわってきます。火を噴いたプロジェクトの収束係になることもあります。その分期待値が高く、プレッシャーもかかりますが、人より早く成長できるのです。
あなたは「日々の仕事」で評価される
ビジネスの世界は、甲子園のように予選を勝ち抜けば大きなひのき舞台に立てるものではありません。なぜなら、長く携わった仕事の実績がその人のブランドになってしまうからです。
中小企業の人事を10年、中堅企業でさらに10年経験し、人事のスペシャリストとして最後に大企業の人事へ転身というチャンスはほぼありません。
「中小企業の人事のスペシャリスト」として、最初の10年の経験を評価されるので、転職しようとしても同じようなポストしかまわってこないのです。
「今の職場でまだできることがあるので、それをやってから」と言いながらキャリアの賞味期限が切れてしまった人を山ほど見てきました。置かれた場所を変えるためにも、“虎の威”を借りてラクして速く実績を積むのが得策です。