「いい管理人さん」がマンション管理会社にとっては不都合な理由写真はイメージです

 管理会社に委託したマンション管理業務で、居住者が最も身近に目にするのが管理員の日々の働きだ。お住いのマンションの管理員の働きぶりはどのようなものだろうか?

「よい管理員とは?」と言っても、管理会社にとってか、居住者にとってかで答えは変わってくる。

 またマンションの規模やグレードによっても管理員の役割は異なる。大規模である程度以上のグレードのマンションなら窓口に常駐し、日常掃除などは専門業者に任せ、自身は業者対応、居住者対応に専念することになるし、さらにグレードが上がれば、24時間対応のコンシェルジュ的な業務が中心となるといった具合だ。

 しかし平均的なマンション、例えば 、大都市郊外で50戸程度のミドルクラスのマンションなら、週3回程度、日常清掃、点検をこなしながら、来訪する定期点検業者などの対応、ごみ収集の後始末に当たる、といったところが普通だろう。

 このような平均的管理員像を念頭に、管理組合にとってよい管理員とはどのような人なのかを考えてみたい。

管理会社にとっての
よい管理員とは

 実は「素晴らしい、行き届いた管理員」では困るというのが、管理会社の本音だ。

 DIYが得意で、簡単なことなら業者任せにせず自分で直してしまう。自発的にサービス残業をしてくれる。果ては修繕のコストダウンまで提案してくれる。出勤日でなくても理事会や総会に自発的に陪席してくれる。こんな、居住者にとってはありがたい管理員は、管理会社には「都合の悪い管理員」だ。