原油価格の代表的な指標、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は昨年11月以降1バレル=100ドルを挟んだ動きを続けてきたが、2月に入って上昇、一時113.9ドルに達した。

 だが、原油高は目先一服との見方が主流。世界経済は回復基調にあるが、欧州を中心とした緊縮財政もあり、それほど強いものにはならないとの見方だ。また、米国では量的緩和第3弾(QE3)への期待感が後退、欧州でも3年物資金供給オペは今回で最後との見方が優勢になるなど金融政策面での押し上げも期待しづらい。

 これまでの上昇は余剰資金流入によるもの。投機筋の動きを示す米国の原油先物取引の建玉残高を見ると「買い」から「売り」を差し引いたネット買いポジションは2月に入り急増。28日時点では25.5万枚とWTI価格が高値を付けた昨年4月以来の水準だ。