3月18日(現地時間)、アリゾナでのUberの自動運転カーによる事故はなぜ起きたのか。事故発生以来、多くのメディアが取り上げ、専門家がコメントを寄せている。
Uberは、3月末に被害者遺族と和解した。また同時期にUberは、カリフォルニア州での自動運転カーのテスト走行に関する申請を行わず、3月まででテストの許可を満了。アリゾナ州はUberの自動運転カーを排除する決定を下した。引き続き当局から詳細が公表され、新たな事実が浮かぶ可能性もあるが、公開映像や各国の報道から、今回の事故原因や自動運転技術についてあらためて考えてみたい。
自動運転カーでなくても発生しうる事故
事故は3月18日、日曜の夜10時ごろに発生した。アリゾナ州テンピをほぼ南北に貫くノース・ミルアベニュー、フェニックス動物園方向に向かってUberの実験車両(ボルボXC90)が臨時ドライバーを乗せて北上していた。事故時は自動運転モードで、ドライバーは運転席に座っていたものの、直接運転はせず、万が一の危険や事故に備えていた。
歩行者はノース・ミルアベニューを西側(中央分離帯側)から自転車を引きながら動物園のある歩道側に横断中だった。そこにおよそ時速60キロ(時速40マイルとして時速64キロ)で走行する実験車両に跳ねられ、被害者は病院で死亡が確認されたという。衝突時にブレーキ痕はなく、自動運転車両は夜間とはいえ前方の歩行者を正しく認識していなかったものと思われる。