これまで北朝鮮は、米国の圧力をかわすため、北朝鮮に対し極端に甘い韓国の文在寅政権との対話に乗り出していた。文政権は、金正恩委員長の意向によく応え、米韓合同軍事演習は一時延期したほか、再開した後も、原子力空母の参加は見合わせた。そこまでは成功であった。

 しかし、トランプ米大統領が、米朝首脳会談提案を受諾したことで、直接トランプ政権と対峙することになった。韓国は丸め込めたものの、米国が相手ではそれも容易ではない。ましてや、トランプ大統領の周辺にいる人物は超強硬派。そうした状況の変化を前に、韓国の“盾”だけでは不安になり、中国という“後ろ盾”も必要だと考えているわけだ。

対話は時間稼ぎや
隠れ蓑であってはいけない

 それでも、対話が行われている間は、朝鮮半島における戦闘行為は避けられるので、ベターだと考える人は多い。たとえ米朝協議が決裂しても、6ヵ国協議があれば戦闘行為にはならないから、協議を続けるべきだという考えだ。

 しかし、北朝鮮が核ミサイルを保有したままの協議は、今後の日本の安全保障にとって重大な脅威になる。単純に、「朝鮮半島で戦闘が起きなければそれでいいのだ」という考えは危険だと思う。

 その場合どうすべきか。金正恩委員長が父の金正日氏の行動から学んだように、こちらもこれまでの北朝鮮の行動を学ぶべきだ。

 対話は「時間稼ぎ」であってはならず、経済支援を受けるための「隠れ蓑」であってはならない。要するに、日本は対話には応じつつも、米朝首脳会談における北朝鮮の対応いかんによっては、北朝鮮を支援するのではなく、圧力を強化していくことが必要なのだ。

 金正恩委員長は、日米韓の弱点をいかに突いていくか周到に準備して対応している。これまで散々振り回されてきたが、日本としても対抗策を入念に検討し、北朝鮮に圧力をかけていくべきだ。