「脱・二割司法」を旗印に
司法制度改革を進めた10年

 弁護士数の急増は2001年6月12日の「司法制度改革審議会意見書」(以下「意見書」)に基づいている。2002年3月19日、司法制度改革推進計画が閣議決定され、正式に司法制度改革がスタートした。

 司法制度改革に向けた議論が交わされていた頃、よく言われていた言葉に「二割司法」がある。「司法が果たすべき役割の二割しか機能していない」という意味だ。弁護士界は「二割司法の現状を変える」という旗を掲げ、司法制度改革に突き進んだ。

 裁判期間の長さや弁護士費用の高さ、司法の敷居の高さなどの反省点に沿って、意見書が作成された。裁判所や弁護士へのアクセスを良くするための法テラスの創設、裁判外での紛争解決手段(ADR)の拡充、埋もれているであろう司法ニーズに応えるために、弁護士人数を増やすことも盛り込まれている。

 弁護士人数増加に関しては意見書で「2010年ころには新司法試験の合格者数の年間3000人達成を目指すべきである」、「おおむね平成30(2018)年ころまでには、実働法曹人口は5万人規模に達することが見込まれる」と人数が明記された。

若手は困窮!日弁連離れも誘発<br />弁護士界がさいなまれる人数論の呪縛

 そのために、新司法試験制度や法科大学院制度が整備され、みるみる弁護士は増えた。新司法試験制度や法科大学院制度は、社会人経験がある人、法学部以外で学問を学んできた人など、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人材を弁護士界に取り込むためという理由もあるが、本来的には弁護士人数の増加を実現するために作られた制度だ。

食っていくのに精一杯の若手
「イソ弁」「ノキ弁」ならぬ「宅弁」も

 ところが、10年経った今、弁護士人数増加のひずみが明らかになってきている。冒頭の会費について話してくれた弁護士はまだ良い方だろう。

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 2011年末時点で64期の司法修習終了者約2000人のうち、約400人が弁護士登録をしていない。400人全員が弁護士としての将来を悲観して登録していないとは限らないが、弁護士として仕事をしていくためのスタートラインにさえ立てていないのだ。日弁連では「法律事務所に就職できないという理由で未登録である人が相当数含まれて」いると現状を分析している。