ゴルフの楽しみと
教える苦しみ

 父親が教えると、プライベートレッスンの30分以内に必ず、生徒さんの顔つきが変わる瞬間がある。「なんだか今までと全然違います」「これなんですね」「当たる感覚がつかめました」。そういう言葉とともに、楽しそうにクラブを振る生徒の姿がある。父親が教えた初心者は続けて練習場に通ってくる。

 ゴルフは初心者の場合、理論でなく、感覚で理解しないと上手にボールを運ぶことができない。クラブを上にあげたときに、力が抜けていれば抜けているほどよく当たるのに、それが上手く教えられずに、Bさんは逆に生徒の動きをぎこちなくさせてしまうのだ。そんなときBさんは、ゴルフの楽しさを教えず難しさだけを教えた気がして、気が重くなるのだった。

後継者としての試練

 30歳の誕生日の前に父親から呼ばれ、練習場の支配人を任命された。レッスンプロとしても半人前なのに支配人とは…。

 クラブハウスのアルバイト職員の採用と教育。プロシヨッブの在庫管理。ゴルフクラブメーカーとの試打会の実施。月1回の会員親睦のためのゴルフコンペの企画と引率。すべてBさんの仕事となってしまった。

 その仕事の多さに気が重くなる。レッスンプロとしてまだ学びたい。こんな言葉を父親に言えずにいると、胃の痛みが増すのであった。

Doctor's Eye

ビジネスマンのストレスと体調の関係について詳しい
杏林大学医学部精神神経科教授 古賀良彦先生(著書

 男性の場合、父親の事業を継いだり同じ職業を選択すると、父親を尊敬すると同時に、能力を常に比較してストレスになることもあるようです。父親を超えたいと強く願うよりも、一緒に働く先輩と認めたほうがお互い関係がスムーズになると思います。

消化器がご専門
医療法人社団慶洋会理事長 黒瀬巌先生(著書

 ストレスをコントロールして、リラックスすれば高いパフォーマンスを出すことができると分かっているのに、それがなかなかできずに、胃が痛い、下痢をしやすいと消化器の不調を訴える方が多いようです。胃が痛い、胃がチクチクするなど違和感を感じたら、ストレスのサインと受け止め早めに対処しましょう。

取材メモ

 私の主宰する日本ヘルスケアニュートリケア研究所では、多くの男性のストレスと向き合ってきました。男性の場合ストレスの原因が仕事にあると思いがちですが、実は、家庭や家族関係にもストレスの原因がある場合があります。またストレスのサインがあっても気合や根性が足りないせいにして、自分にストレスがたまっていることを認めない場合もあります。不調は身体のサインと認め一度立ち止まることも必要です。