「政治的公平」は
法律でコントロールできない

 日本のマスコミがなにかと手本にしたがるBBCがあるイギリスも同じだ。

 NHKも安倍政権を叩けみたいな文脈の時によく出るが、BBCはかつてフォークランド紛争を「中立」に報道し、サッチャー政権から厳しく批判されても屈しなかったことで知られている。では、こういう硬骨の姿勢を貫けたのは、法律でちゃんと「政治的公平」が指導されていたからかというと、かの国にはそんな規制はない。

 当時のBBCのガイドラインには、「公平性は、絶対的な中立性を意味するのではない」という趣旨の記述がある。BBCの言う「公平」とは、自分たちが信じる「公平さ」であり、報道機関として自らを厳しく律するポリシーでもある。役所や法律でああだこうだと指図されるようなものではないのだ。

 まだ記憶に新しいかもしれないが、2年くらい前、テレビ・新聞は「ヒトラー安倍によって報道が萎縮している」という一大キャンペーンを張った。そのよりどころとなっていたのが、国連人権理事会が任命した「表現の自由」に関する特別報告者だった、米カリフォルニア大アーバイン校のデビット・ケイ教授である。

 この方は2016年4月に来日し、1週間に及んで日本のマスコミ、ジャーナリストのみなさんにヒアリングをおこなった結果、こんな素晴らしい「提言」をしている。

「やはりこの放送法は一部改正する必要があるというふうに考えております。例えば、4条そのものを取り消すということです。政治的公平性を判断するということは非常にオープンな議論を要求するものであります。公平なのか・公平ではないのかというのは本当に大きな議論を要するところであって、それを政府がコントロールするということであってはならないというふうに考えています」(ログミー2016年4月19日)

 あれから2年。国連に対して「安倍政権に恫喝されてます、助けてください」と、子犬のように怯えて訴えていた日本のマスコミが、「政府のコントロールがないとフェイクニュースが増える」と怒り狂っていると知ったら、ケイ教授はどう思うか。

 やはり冒頭でみなさんが感じたように、「サイコパス」だと失笑するのではないか。