ハリル氏解任にみる、「牽引型リーダー」の日本における限界4月12日の会見で写真撮影に応じるサッカー日本代表の西野朗監督(右)、日本サッカー協会の田嶋幸三会長 Photo by Atsushi Tsuchiya

 ハリルホジッチ監督の電撃解任を経て、4月12日、日本サッカー協会は都内で、新たに日本代表監督に就任した西野朗氏の記者会見を開催した。この会見での発言から、西野氏の代表監督としての狙い、西野ジャパンの今後を占ってみたい。

世界基準の理想と現場のギャップ

 ワールドカップ本大会の開幕まで残りおよそ2ヵ月というタイミング。ハリルホジッチ氏の解任を経て行われた会見で、西野氏は厳しい面持ちを崩さなかった。

 メディアがぎっしり集まった会見場で西野氏は冒頭、「ハリル氏の後任として日本代表監督を受けることにしました。2年前に技術委員長に就任して精一杯代表チームのサポートをしてきたが、最終的にこのような状況になり、代表監督を引き受けたということで責任を感じている。精一杯チーム作りをしていきたい覚悟です」と不退転の決意を示した。

 本大会直前の監督解任に対しては、さまざまな背景が報道されている。今回の西野氏の言葉からはっきり浮かんだのは、ハリル氏の高い理想と、選手の能力とのギャップだ。