「求人数÷求職者」で求められる有効求人倍率は、人口減少により求職者(分母)が減っていく一方、求人数(分子)は定年退職者が増えることで人員補充ニーズとともに増えている。その結果、有効求人倍率はすごい勢いで上がっていくというわけだ。だがそこにあるのは「若者がしたい仕事」ではないから、「地元で仕事をしたい人」が減っているというのが今起きていることの正体だと言える。

 つまり「人はいるけど仕事がない」ことではなく、「若者が希望する仕事がないから人が出ていく」すなわち「年齢別人口構成と求人のマッチングがうまくいっていない」ということだ。

 具体的には、日南市では事務職において需要過多、それ以外の職種で供給過多の状態が起きている。そして、そのミスマッチを埋めるため田鹿氏が取り組んでいるのが20~30代の希望する事務職を増すことで人口ピラミッドの補正を実現すること。

「事務職をやりたい人に工場勤務を勧めてもマッチしないから福岡など事務職が多い都市に行ってしまう。毎月データを見ていると事務職に200~250人くらいの希望者がいるにもかかわらず、20~30しか仕事はない。希望通りにならないと流出してしまう。そもそも彼らは日南市で仕事を探しているので、希望する仕事があれば日南に定住してくれるんですよね。なのに、仕事がマッチングしなくて流出するのは市民にとっても行政にとっても悲しいことなんです」(田鹿氏)

 現在、日南市では大都市のIT企業サテライトオフィスの勤務を中心に、事務職の求人数拡大を実現。定住人口増加につなげている。