優秀なエリートには共通点がある。彼らは「真面目に、我慢して、一生懸命」ではなく、「ラクして速く」をモットーに、効率よく結果を出し続けている。まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない。24年間で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6000人を超えるリーダー・幹部社員を選出してきた松本利明氏の新刊、『「ラクして速い」が一番すごい』から、内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)
リストラされる人と選抜される人の「差」
なぜ、ゴールを先に描くと筋のいいプランが出てくるか?
それは潜在意識が上塗りされるからです。頭の中でうんうん考えるのが顕在意識。無意識に考え、判断しているのが潜在意識です。
潜在意識というと胡散くささを感じるかもしれませんが、心理学では理論が確立されていて、スポーツの世界では、イメージトレーニングで潜在意識をすり替えるのは常識になっています。
GEの元CEOのジャック・ウェルチ氏のエグゼクティブコーチを務めたマーシャル・ゴールドスミス氏と会談したときのことです。
「エグゼクティブコーチングとは、事業のリーダーとしてふさわしくない行動習慣のもととなる潜在意識の中の思考癖やバリアに気づかせ、正しくリードできるようにさせること」
潜在意識についてこのようにおっしゃっていました。
潜在意識はそれほど根深く、そして気づきにくく、変わりにくいものなのです。
私たちは1日平均3万回以上の判断をしているそうですが、大半は無意識の潜在意識の中で行っています。「後ろから物音がしたら、パッとすぐ見る」などは無意識領域です。
いちいち「背後から物音が聞こえた。私に害があるかどうかを確認する必要がある。情報を把握するために振り返ろう」と頭の中で考えることはしないのです。
いわば潜在意識は判断するときの「癖」。この「癖」を味方につけましょう。