後工程はお客様という考え方
クルマの部品は、約3万点にものぼります。そのようなクルマで、組み付けた部品が壊れてしまったら、人命にも関わることになります。そのため、いくつも検査(チェック)をして、不良品があれば取り除いています。しかし発生した不良品は廃棄し、良品と取り換えなければなりません。
さらに部品が壊れた原因を究明する必要もあり、時間や費用がかかり、ムダも発生します。そこで、検査に頼るのではなく、『自工程完結』によって良いモノだけを、後に続く工程=『後工程』にバトンのように引き渡す。そうすることにより、出来上がった最終品も、間違いなく良いモノであると保証の考え方が生まれたのです。
モノづくりの世界では、『後工程はお客様』という考え方があります。仕事は多くの部門や関係者で成り立っています。そこで後工程をお客様と捉えて、後工程の期待に応えるアウトプット(成果物)を引き渡して、お客様に高い品質の商品やサービスを提供します。
サッカーのW杯で日本人サポーターが、試合後のスタンドに落ちていたゴミを拾う姿が世界で称賛されましたが、あれも、『後に使用する人への思いやり』から生まれた行動と言えるのではないでしょうか。