日銀の「出口戦略」で無用の混乱を防ぐには?

 大規模な量的緩和を実施した先進諸国の中央銀行が共通して抱える課題は、そこからどのように円滑に抜け出すかだが、中央銀行が保有国債を減らしバランスシート縮小を粛々と進めるうえで、参考になり得るのが、「特別目的会社」を活用するやり方だ。

 日米欧と同じく量的緩和を実施してきたイングランド銀行(BOE)ではすでに、特別会社を活用したユニークな資産買入れ方法が採用されてきた。他国が「出口戦略」を考えるうえで参考になる面がある。

英国中銀が活用する
ユニークな「資産買い入れ会社」

 英国でも、金融危機とその後の景気低迷に直面し、2009年からBOEが、金融資産を購入して市中に資金を供給する量的緩和を実施している。

 しかし、実際の買入れと買入れた資産の保有は、BOE自身ではなく、このためにBOEが100%出資で新設した資産買入れファシリティー(APF)と呼ばれる特別目的会社が行っている。