頑として認めないのはなぜ?
発想が当時のままの可能性も

 ただ、生涯打率3割1分9厘の張本氏からすれば、日米野球での2割5分は不本意だろう。おそらく打席に立つたびにメジャーの投手の凄さを肌で感じていたはずだ。

 ということはメジャーの野球に対してリスペクトの思いがあって当然ではないか。そのメジャー相手に対等以上のプレーを見せている現在の日本選手には「あっぱれ」を連発してもよさそうなものだ。

 だが、頑として認めないのはなぜか。ひょっとすると自分が現役時代、日米野球でプレーした時から発想が止まっているのかもれない。日本で3割が当たり前だった自分が2割5分しか打てなかった。長嶋さんもワンちゃん(王氏)も3割に届かなかった。そして、なかなか勝てなかった。あんなに苦労した相手なのに、今の日本選手は対等にプレーしているし、大谷などは圧倒さえしている。自分を基準に考えれば「メジャーのレベルが下がった」としか思えないのではないだろうか。逆に言えば、自分の時代のメジャーリーガーをリスペクトし過ぎているということかもしれない。

 まあ、張本氏のコメントを聞いていると、そんな複雑な発想ではなく、単にアメリカのプロスポーツが嫌いなだけかもしれないが。

 メジャーでプレーした経験を持つ日本選手のほとんどが、レベルは上がっていると証言している。当時に比べれば日本選手もさらに凄い勢いでレベルアップしていると考えた方が正解なのだ。張本氏のコメントは聞き流すだけにして、大谷をはじめ日本選手の活躍に、素直に感動した方がよさそうである。

(スポーツライター 相沢光一)