今の成年後見制度は、決して親のためにはならない、リスクが多い制度となっている
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問題が多い「成年後見制度」

「人生100年時代」の掛け声の下、高齢者の生活と資産の管理が注目を集めている。筆者は、お金の運用を専門としているので、高齢者の資産運用について考える機会が多いのだが、実は、自力ではどうしても解決しきれない重要な課題の存在が胸につかえている。

 筆者が、高齢者の資産運用についてアドバイスしたい主な内容は、(1)高齢だからといって特別な運用法はない(運用にまで歳を取らせる必要はない!)、(2)配当・分配金などのインカムゲインにかかわらず、最も効率的な運用方法を選べ、(3)金融マンのような利害関係のある他人を簡単に信用するな、(4)認知症・死亡など自らの判断力の喪失に備えよ、というものだ。

 しかし、本人に判断力がある場合の資産運用についてはこれでいいとして、なかなか満足・安心のできる具体策がないのが最後の「自らの判断力の喪失に備えよ」の部分なのだ。

 家族などに信頼のできる人を確保し、自らの財産の置き場所を知っておいてもらうとともに、金融マンや不動産業者などにだまされないよう自らをチェックしてもらえ、というのだが、「信頼のできる人」を確保することが難しい人がいることに加えて、信頼できる身内を確保したとしても、安心できないリスクがあるのだ。

 こうした問題意識があったので、筆者は、近刊の「成年後見制度の闇」(ジャーナリストの長谷川学氏と、一般社団法人「後見の杜」代表の宮内康二氏の共著。飛鳥新社刊)を読んだ。