「まいばすけっと民」にぶっ刺さる?九州発「トライアルGO」首都圏進出の勝算とリスク著者撮影

福岡を拠点にディスカウント店やスーパーなどの小売業を展開しているトライアルホールディングス(HD)の勢いがすさまじい。今年7月には大手スーパーの西友を約3800億円で買収・完全子会社化し、事業規模を拡大。さらに、都市型小型スーパー「トライアルGO(TRIAL GO)」も首都圏で出店し始めているのだ。西友とトライアルGOが首都圏で成功する鍵はどこにあるのか。(フードコンサルタント 池田恵里)

トライアルGOは関東でどこまで拡大するか

「九州のトライアルGOが関東に進出してどう思った?」と関係者から聞かれることが増えた。

 トライアルGOとは、トライアルHDが展開する都市型の小型スマートストアだ。

 24時間営業で、惣菜・生鮮・日配・冷食・日用品まで、生活に必要な商材を一通り揃える「小さなスーパー」の役割を担う。AIカメラや電子棚札、スマートレジなどのテクノロジーを組み込み、少人数でも運営できる省人化オペレーションが特徴である。

 大型のスーパーセンター業態とは異なり、人口密集地や都心にも出店できることが、トライアルGOのフォーマットの狙いだと考えられる。店舗を見学したが、当初の印象としては、期待と懸念が五分五分と言ったところだった。

 取材していると、イオングループの小型スーパー・まいばすけっととの競合について言及されることが多く、質問でもその違いを聞かれることが多々あった。そして対コンビニに対してどうか、といった内容も然りである。

 果たしてトライアルGOは、店舗内商品の陳列において、変化の激しい現代の顧客の買い物動向に沿う形なのだろうか。

 小型スーパー・トライアルGOの強みと関係者から漏れる疑問をあわせ、話を進めていこうと思う。