かつて「保守本流の女帝」といわれたフィクサーがいた。32歳で大物政治家の秘書になり、吉田政権下の与党・自由党の重鎮7人による幹部会に秘書として唯一、出席を許され、池田勇人、佐藤栄作といった歴代首相と対等に渡り合った。その名は辻トシ子――。特集『小説「昭和の女帝」のリアル版 辻トシ子の真実』の#3のドキュメンタリー動画の後編には、元首相の福田赳夫、大平正芳、宮澤喜一、元財相の藤井裕久、元衆院議長の綿貫民輔、元財務官の大場智満らが登場。側近たちの証言から、辻トシ子と米国政府の関係、さらには「戦後最大のフィクサー」といわれた児玉誉士夫とのつながりを明らかにする。(ダイヤモンド編集部)
トヨタや財閥を動かす剛腕の正体とは
ダイヤモンド編集部の取材で、「昭和の女帝」辻トシ子が、宏池会の陰の権力者として、大平正芳内閣や宮澤喜一内閣の誕生に深く関与していたことが分かった。
彼女の影響力は、政界にとどまらず、霞が関の中央省庁やトヨタ自動車、財閥系の銀行をはじめとした財界にも及んでいた。
本編集部は、2020年に102歳で死去した彼女の手帳や、彼女の父で「政界最大の黒幕」といわれた辻嘉六の遺書を入手。そうした本邦初公開の資料や米国の公文書などを基に、謎に包まれていた辻父娘の実像に迫っていく。(敬称略)
昭和の女帝
小説・フィクサーたちの群像
千本木啓文著
<内容紹介>
自民党の“裏面史”を初めて明かす!歴代政権の裏で絶大な影響力を誇った女性フィクサー。ホステスから政治家秘書に転じ、米CIAと通じて財務省や経産省を操った。日本自由党(自民党の前身)の結党資金を提供した「政界の黒幕」の娘を名乗ったが、その出自には秘密があった。政敵・庶民宰相との壮絶な権力闘争の行方は?



















