接客の戦略に長けていた営業部門出身幹部
大西前社長派と見なされ不遇

 だが、そもそも百貨店の接客は、販売員が自身の感性を生かして、いかに顧客と親密な関係を構築し、適切な接客ができるかがモノを言う。銀座や日本橋、新宿など富裕層の顧客を抱える基幹店では特に、である。

 ところが、こうした戦略に長けていた営業部門出身幹部の多くは、杉江社長らから大西前社長派と見なされ、一連のクーデターのあおりで退社を迫られたり、執行役員から理事に降格されるなど不遇をかこっている。データやデジタル技術は昨今無視できないが、彼らのノウハウを生かさずに形だけこれらを導入したところで、真に顧客の満足につなげられるかは疑問である。

 そんなクーデター後の殺伐とした雰囲気を反映してか、中堅社員の間では「上司との面談では必ず音声を隠し撮りしろ、と同僚と言い合っている」などと、社内では疑心暗鬼な職場環境がうかがえる。

 目先のリストラによって、数字はそこそこまでには改善しそうだ。しかし、激烈な社内闘争で失ったものもまた、大きい。