いまや大学進学者の2人に1人が借りているといわれている奨学金。大学生の生活を助けるはずの奨学金だが、近年「返還に苦しむ若者」や「保証人となった親の老後破産」などマイナス面も浮き彫りになってきている。どうしたら返還に困らずにうまく借りることができるのか?『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』の著者・竹下さくら氏が、これから奨学金を考えている人に向けて、賢い借り方・返し方をアドバイスする。
毎月いくらぐらいなら“無理なく”返せるのか?
奨学金を借りるとなった時、「いくら借りるか」を決めるのはなかなか難しい。たとえば、月額10万円を4年間借りると480万円になるが、このような額を将来、きちんと返せるかどうかは総額ベースで漠然と考えてみても、いまいちピンとこないのが正直なところだろう。
そこで、借りる金額を考えるときには、まず将来にわたって「毎月いくらずつ返していくことになるのか」を考えるとわかりやすい。たとえば、第二種(利息がつく奨学金)で月5万円借りると返還総額は246万円4020円(0.33%の固定利率とした場合)になる。その場合、月に1万3688円ずつ、15年間かけて返していくことになる。一方、同じ条件で月10万円借りると返還総額は496万円8451円となり、その場合、月に2万702円ずつ、20年かけて返していくことになる。
このように、毎月の金額でみると返還のイメージがしやすいのではないだろうか。毎月1万3000円程度であれば、「今月スマホ使いすぎた!」くらいの感覚で無理なく返還できるだろう。