大学病院いまなお年功序列的な人事制度
仕事はすご腕医師に集中「ヤブほど高時給」

 大学病院の多くは、いまなお年功序列的な人事制度を取っている。報酬額は卒後年数でほぼ決まり、高齢になるほど高額だ。基本的には降格、減給、解雇がない。しかし、医者の能力は均一ではない。仕事はすご腕医師に集中し、誰もが認めるヤブ医者は定時に帰宅できる。その結果、実質的な時給を計算すると「ヤブほど高時給」という現象が発生しやすい。

 勤務医からフリーランスへの転身は、社会主義国から資本主義国への亡命のようなものである。麻酔科医としての腕や症例数が報酬として評価され、高度な技術やリスクの高い仕事では、報酬は加算される。加算したがらない病院とは契約を更新しないことも可能である。

 2008年放映のドラマ「チームバチスタの栄光」(フジテレビ)にも、大学病院の優秀な若手麻酔科医が「フリーランスの方が稼げる」とボヤくシーンがある。

 フリーランス業界では仕事と報酬がセットで動くので、自分の体力や家庭状況に合わせて、仕事量を調節することも可能である。あらかじめ同業者と仕事のやりくりをすれば、長期の休みを取ることも可能である。

 女医が急増し、勤務医なら何かと迷惑がられるママ女医も、出来高制なら周囲とのトラブルは少ない。

 もちろんフリーランスで働くことのデメリットもある。主なものでは雇用の不安定、それと病気(=無収入)リスク。有能な医者には、好条件のオファーが集中するので仕事が途切れる不安はない。