今までのゲームは終わり、<br />新しいゲームが始まっている。<br />宮台真司が「よるヒルズ」と<br />シェアハウスの未来を語る高木新平(たかぎ・しんぺい)/トーキョーよるヒルズ 編集長。1987年生まれ。早稲田大学卒業後、博報堂入社。11年に退社し、新たな生き方を開発中。六本木にて『トーキョーよるヒルズ』というさまざまな枠組みを超えたライフスタイルを実践するコミュニティ型シェアハウスを立ち上げる。このほかコミュニケーションプランナーなど幅広く活動を展開中。 Twitter : https://twitter.com/shimpe1

シンペー 僕は今24歳なんですが、就職活動のときにリーマンショック、社会人1年目の終わりに3.11、つまり環境の変化の最中に価値観を変えるような社会的な経験をしました。

 たまに同じ世代の友人と話すと、みんな「会社の仕事や同僚だけじゃないよね」って言うんです。

 起きている時間ほとんどバリバリ働いているような大手商社や広告代理店に就職した友達も、「このままじゃ、なんか違う」と感じている。じゃあ、ホリエモンみたいに起業するのがかっこいいのか、というとそういうわけではない。お金や社会的地位のようなものを追求したいわけでもない。これまでイメージされてきた成功指標とは違うものを求めている。

 大切にしたい価値観が既存のシステムとずれているような感じです。

 しかもそれは、現実的な問題ともリンクしていますよね。例えば、今サラリーマンをしていて収入的に安定していても、今までの核家族のあり方では何か起こったらすぐ機能不全に陥りますよね。たとえば、病気などで休職したり、何かあったときに子ども預ける先がなかったりしたら、すぐに立ち行かなくなってしまう。そういう不安も重なって、余計に、もやもや感を蔓延させている気がします。

宮台 従来のシステムに思考停止的にのっかることが出来なくなってしまったからね。そのことに自覚的な人はもやもやするだろうね。

 今までのゲームは終わり、新しいゲームが始まっている。

 なかなか大変な時代だけれども、ワークショップやセッションを繰り返したり、経験を積み重ね、ノウハウを新たに獲得していって欲しいと思う。再帰的反芻的な自意識のもとにね。

 だからこそ、僕としてはシンペー君たちが立ち上げた六本木のシェアハウス「トーキョーよるヒルズ」に注目しているんだけどね。

シンペー 光栄です。ボトムアップ的にサンプルを作っていくしかないと思ってやっています。