一流のリーダーの時間の使い方とは?写真はイメージです
小宮一慶小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 経営者が会社のために使う時間には限りがあります。ムダな使い方をしている経営者は少ないと思いますが、会社のために有効な使い方をしているかどうかの判断はつきにくいかもしれません。

 そこで私は経営者に対して、使っている時間を次の3つに分類するよう、折に触れてお話ししています。自身の時間を「3つの時間」のどれに使っているのかを知ることで、会社のために時間を有効に使えているかどうかの判断がつきやすくなるからです。

 (1)トラブルに対応する時間
 (2)現在の事業を維持するための時間
 (3)会社の未来のために使う時間

【リーダーが使うべき時間(1)】
トラブルに対応する時間

 お客さまからのクレームや事故、製造設備の故障、流通の不備といったトラブルが発生した時、経営者は率先垂範、指揮官先頭の心構えで、とくにお客さまに対しては、迅速にかつ真摯に対応しなければなりません。重大なトラブルなどが発生した場合には、ある期間はトラブル対応に没頭することもやむを得ません。対応が後手後手に回ると、状況がさらに悪化するからです。

 しかし、経営者が多くの時間を割いてトラブルを解決したとしても、多くの場合、それは元の状態に戻るだけです。それだけでは、会社がより良くなるわけではありません。