小室 どうですか、皆さんのご反応は?

大川 敏感に反応する人もいれば、初めて聞いたみたいな顔をしている人もいます。でも、私もブランドの仕事を始めたときには、そういう認識がまったくなかったわけです。ですから、共有する場をたくさん持ち、最後まで諦めずに伝え続けていくことが大事だと思っています。

小室 本当ですね。今まで日本の市場は世界の投資家から見ると、「これほどの少子化であるにもかかわらず、それを改善させようと、女性が子育てしながらでも活躍できるような仕組みをつくっていない。投資先としては危なすぎる国」と思われていました。しかし、女性活躍推進法が整備され、WINという指標ができたことで、少なくとも投資に値する企業を見極められるようになりました。

データが「見える化」されなければ
世界の動きは見えなかった

小室 世界の投資家の中でも特にヨーロッパの投資家は、日本の投資家と比べてより長期の視点で投資をするので、その組織の仕組みがサスティナブルかどうかを重視しますよね。だから、どんなに日本で売れ筋の株でも、働かせ方がブラックな企業は業績が急上昇していてもヨーロッパの投資家には相手にされませんでした。

 それに対して、女性活躍推進法によるWINのような指標ができると、世界の投資家が安心して日本の市場にお金を入れることができます。結果として、日本市場への投資が増えることが期待されているわけです。

大川 「見える化」って必要ですよね。女性活躍推進法ができて、JALの経営陣も本気になったんじゃないかなと思います。データが見えなかったら、「世界はこう動いてるんですから」と説明しても、「そうですか」みたいな感じで、あまり響かなかったかもしれません。

小室 女性の管理職や役員は、この4、5年でどのように変化していますか。

大川 女性は、社員数としては半分くらい。そう思うと、管理職にも女性が半分いてほしいですが、現在女性管理職比率は16パーセントで、2023年には20パーセントにしたいというのが目標です。社内役員としては女性が4名います。

小室 女性役員がすでに4名もいるのですね。今、優秀な学生は女性役員が2名以上の企業でないとエントリーシートを出さないと言われています。1名だけでは「お飾り」の可能性が高い、と。4名いると、すでに女性役員の中にも多様性がある状態になりますね。