関係者によると、次期iPhoneに採用されるJDIの新型液晶「フルアクティブ」を生産する白山工場(石川県白山市)はすでにフル稼働という。7月以降の出荷に向けて先行生産を開始しており、今期はアップル向けの液晶で、一命を取り留めるもようだ。

液晶継続を水面下で交渉

 だが、宙に浮いているのが、有機ELパネルの量産設備の投資判断だ。2000億~3000億円もの資金が必要とされるが、中国企業などとの資本提携交渉は暗礁に乗り上げており、当初見込んだ19年の量産には間に合わない。

 もっとも関係者によると、アップルはiPhoneのフルアクティブ液晶の採用を19年も継続する方針で、来期もJDIの液晶工場の稼働は確保できる見通しという。一方で中国スマホ向けの回復は見込めず、18~19年度はアップル依存が一段と強まる。

 昨年6月に就任した東入來信博会長兼最高経営責任者(CEO)は「有機ELシフト」を掲げて、過去最大の赤字を計上してまで液晶工場の巨額減損に踏み切ったが、結果的に液晶に救われている。

 現在JDI内部の最大の関心は、「20年のiPhoneに液晶が残るかどうか」(JDI関係者)という。水面下でアップルとは液晶継続を交渉中だが、仮に交渉が実らず19年を最後に液晶モデルが途絶えるなら、有機ELの巨額資金の調達は待ったなし。その見極めのためにJDIに残された時間は少ない。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)