森友学園側が、ごみの撤去で開校が遅れた場合に損害賠償請求の意向を示していたのに対し、近畿財務局側が、賠償請求ができないようにする「特約」を売却契約に入れていたなどの理由からだ。

 また、撤去費の妥当性についても、地中に一定量のごみがあったことは事実で、撤去費の推計が過大とまでは言えないと判断しているようだ。

改ざんで文書の
趣旨はどう変わったか

 一方で、佐川宣寿元理財局長が関与したとされる文書改ざんは、作成権限のある公務員が虚偽の文書を作成したり、改ざんしたりする「虚偽公文書作成罪」のほか、作成権限のない人が行った場合でも、「公文書偽造・変造罪」などが適用される可能性がある。

 仮に理財局の指示を受けて近畿財務局職員が改ざんをした場合は、理財局の上司も「共犯」とされるという見方が多い。

 立件のポイントは、改ざんの意図や、改ざんによって文書の趣旨がどう変わったかだ。

 財務省は、森友側との価格交渉を全面否定した「佐川元局長の国会答弁に内容に合わせるためだった」と説明しているが、改ざん箇所はかなりの数に及ぶ。だが、改ざんされた部分は交渉の経緯が中心で、契約の方法や金額など取引の根幹部分では変更が見られない。

 こうしたことから検察は、文書の本質は変わっておらず、「虚偽の文書」とまではいえないとの判断に傾いているといわれる。

 だが、甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「国民が疑問を抱いているのは、なぜ8億2000万円もの大幅値引きが行われたのかということ。これを考える上で重要な交渉の経緯、つまり昭恵夫人が現地を訪れて『いい土地ですから話を進めてください』と言ったことや、夫人付きの政府職員が、交渉の途中で優遇措置について本省に照会したことなど、取引の背景の部分がすっぽり削除されて、決裁文書上では、あたかも普通の土地取引のようになっている。検察が土地取引の事実の部分が残っていることを根拠に『虚偽文書ではない』と判断しているとしたら、解釈が狭過ぎる」と指摘する。

 その上で園田教授は、「取引の背景を削ったのは、虚偽公文書作成にあたる。そもそも公文書の意義は全部をそのまま保管し、国民が後で検証できるようにすることだ。改ざんすること自体が悪質。罪に問われるべきだ」と話す。