豊田章男社長からの指示
「1stモデルのLSが与えた衝撃を超えるクルマ」
レクサスはプレミアムブランド。となれば、フラッグシップの役割は極めて重要だ。そのパフォーマンスと存在感はブランド全体のイメージを牽引する。1989年のレクサス・ブランド誕生時、その役割を果たしたのが1st・LS(日本名セルシオ)であり、静粛性、燃費、作り込みのレベルなどはライバルたちを震撼させた。その後、モデルチェンジを重ねるごとに着実に発展。とくに、トヨタ・セルシオとの兄弟車関係を解消した旧型4thモデル(2006年デビュー)は、レクサスのフラッグシップとして、なかなかの存在感を発揮した。
そして17年10月、新型LSにバトンを渡したわけだが、開発にあたって豊田章男社長から「1stモデルのLSが与えた衝撃を超えるクルマを作ってほしい」との指示があったという。
豊田社長は、レクサスを一級のプレミアムブランドにするためにいろいろな施策を打ち出してきた。そうした流れの中でスペシャルティクーペのLCが生まれ、フラッグシップサルーンとなる5th・LSが生まれた。
新型LSのスタイリングは個性的だ。ラグジュアリーセグメントのサルーンといえば、ノッチバック系スタイルが、ある種の約束事のようになっていた。旧型LSもそれを踏襲。言葉を換えると、伝統的ショーファーカーのスタイリングだった。