代表選手の8人が30歳以上
選手の新陳代謝が行われていない現状

 ネット上ではすでに、ハリルホジッチ監督を変えた意味がない、といった批判にさらされている。しかし、指揮官一人を標的にするのは簡単なことだ。誰よりも23人のリストを作成した西野監督自身が、不退転の覚悟を決めているはずだ。何よりもその時点で最も力があるチームが集う集団が、イコール、代表チームとなる。そうした定義に則って発表された日本代表メンバー23人の顔ぶれを、どのように受け止めるべきなのか。

 発表時の5月31日における23人の平均年齢は28.17歳で、日本が臨む6度目のワールドカップにして初めて28歳を超えた。いわゆるベテランの域に達したとされる、30歳以上の選手が7人も選出されたのも初めてであり、事前キャンプ地のオーストリア・インスブルックへ出発する2日には乾が30回目の誕生日を迎える。乾を合わせれば、30歳以上の選手は8人だ。

 前回ブラジル大会に続いて選出された選手は11人を数え、その中でもキャプテンの長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)をはじめ、守護神・川島、長友佑都(ガラタサライ)、本田、岡崎の5人は南アフリカ大会でも主力を担い、決勝トーナメント進出への原動力になった。

 年齢だけですべてを判断することはできないが、34歳の長谷部はフィールドプレーヤーでは最年長となる。開幕直前に32歳になる本田、南アフリカ大会にはサポートメンバーとして現地に帯同している29歳の香川も、ロシア大会を集大成の舞台として位置づけている。

 そして、故障で離脱した青山は32歳。予備登録メンバーの一人としてFIFAに登録されながら、故障でガーナ戦に招集すらできなかった35歳の今野泰幸(ガンバ大阪)もいる。昨シーズンのJ1得点王の30歳・小林悠(川崎フロンターレ)も、けがでガーナ戦への招集を見送られた。

 チームが前進していく上で、世代交代という新陳代謝は欠かせない。若さと気概にあふれる新戦力が既存の選手たちをグイグイと突き上げ、中堅やベテランが「そう簡単にポジションを明け渡してなるものか」と抗っていく過程で爆発的な、それでいて予想もできない新たなパワーが生まれる。

 短期間でチームが変貌を遂げた理想が、ワールドカップで言えば2010年の南アフリカ大会となる。岡田武史監督に率いられた日本代表は大会前に低空飛行を続け、韓国代表との壮行試合で完敗を喫した直後には岡田監督が進退伺をJFAへ提出する騒動にまで発展した。

 当時の犬飼基昭会長に慰留され、翻意した岡田監督は以前から構想のひとつとして温めていた、戦術の180度変更を決意。ボールポゼッション型から堅守速攻型へチームが改造された中で本田や長友が八面六臂の大活躍を演じて、グループリーグを突破する起爆剤となった。