北朝鮮問題も
歴史的な節目に差し掛かっている

 北朝鮮問題も歴史的な節目に差し掛かっているように見える。

 6月12日に予定されている米朝首脳会談であるが、一時は頓挫したかのような印象が国際世論に蔓延したものの、先日、金英哲・朝鮮労働党副委員長がワシントンDCに異例の訪問をし、金正恩・同委員長の親書を手にトランプ大統領と会談をした。

それに対し、3日、中国の華春瑩・外交部報道官は「米朝双方は両国首脳会談に向けて密接な意思疎通を行い、前向きな進展を得た。朝鮮半島問題を政治的に解決するという正しい進路に重要な一歩を踏み出した。我々はそれを喜ばしく思っている」とコメントした上で、「昨今の朝鮮半島情勢には得難い歴史的契機に直面している。

 次のステップとして、朝鮮半島非核化と持続的な平和を実現するための道を見つけることができるかどうか。米朝首脳会談こそが鍵を握っているのである」と中国政府としての一貫した立場を繰り返した。

 5月下旬にワシントンDCを訪れた王毅外相兼国務委員もマイク・ポンペオ国務長官との会談後に行われた合同記者会見の席で米朝首脳会談について言及し、「平和をつかみたいのであれば今こそがチャンスだ。歴史を創造したいのであれば今こそがチャンスだ」と米国側を“鼓舞”している。

 通商と北朝鮮。目下米中を取り巻く2ヵ国間あるいは多国間の問題として最も緊迫しているように見える問題を取り上げてみたが、本稿のテーマとして、中国民主化研究、すなわち中国共産党研究を推し進める、あるいは掘り起こすという観点から、ドナルド・トランプ氏が共和党立候補者に決まる前後から筆者が注目し、思索してきた問題をこの辺で一度整理してみたいと思う。

“トランプの米国”は
中国に何をもたらすか?

 “トランプの米国”は習近平政権下にある中国共産党の正統性を強化するのか、あるいは侵食するのか?”

 以下、この問題意識・提起を巡る筆者の現段階における考察を書き下していきたい。

 まず、この問題を考えるためには、トランプ大統領誕生以前に時計の針を巻き戻してみる必要があるだろう。