――創業後3人目のCEOとして着任してから18ヵ月が経過した。これまでに達成したことと、自らの使命をどのように定義するか。

 私の使命は、ツイッターを「インターネット上における持続可能で成功している、つねに潜在的な可能性を持ったビジネス」にすることだ。前任のCEOの時も、ツイッターは常に可能性に溢れたビジネスだったが、私の在任期間中にその可能性を、実体を伴ったものとして実現することが最大のミッションだ。

 これを達成するために、システムの拡充など目に見えること以外は、こうした内部固めにより力を割いている。集中と選択、成長を焦りすぎず地道に事業を積み重ねていくこと、技術と社内組織のあり方をより洗練させること、国際的にも広がりを持った企業文化を作ることだ。

――ライバルであるフェイスブックが4月9日約10億ドルで写真共有サービスのインスタグラムを買収した。ツイッターのM&A戦略に変化はあるのか。 

 まったく変わっていない。

 ツイッターがビジネスを成長させるための戦略はすでに明確に決めている。もちろん、他社の動向や業界で起こっていることは関心を持ってみているが、他社がM&Aで事業を成長させようとしているからといって、われわれの戦略を変える気はない。フェイスブックの買収によって業界地図が変わるであろうことには注意を向けているが、成功する会社はその地図の変化を見て、次に起こりうる可能性を考えて行き先を決めるものだ。我々が決めた行き先は外部の出来事に左右されない。

――フェイスブックの巨額IPO(株式公開)が話題を集めた。ツイッターの将来のIPOの可能性は。

 IPOはツイッターの「目的地」ではない。2週間に1度世界中の拠点で現在のサービスの課題や目標などを話しあっているが、常にその内容は「ユーザーのために何が必要か」、「自分たちにどんなことが必要か」、といったことばかり。会社の成長や資金調達といったテーマが話題に上ったことは一度もない。いつも「ツイッターで人々を結ぶ」という企業ミッションを達成するためのサービスとして何が必要か、ということだけを考えている。私募調達、株式公開での調達に関わらず、資金調達について話をしたことはない。

 資金調達は「宇宙船の燃料」のようなもの。私はその宇宙船でどこに行くかを話すが、どこで燃料を調達するかには関心がない。 社内では「売り上げは“酸素”のようなものだ」と話している。生きるために必要だが、それは生きる目的ではない。

ツイッターのビジネス収益性への懸念は一片たりともない<br />“ライバル”のIPOとM&Aは我々の戦略には無関係<br />――ツイッターCEO ディック・コストロ氏インタビューPhoto by Masato Kato

――1億人のアクティブユーザーを抱えながらも、ツイッターが利益を上げているか否かはたびたびメディアの関心事となっている。今後もツイッターはサービスを存続させることができるのか。

 自信を持ってイエスと答えよう。毎晩夜寝るときに、一度もツイッターの利益のことを心配したことはない。心配しているのは「求められているサービスを求められているスピードで提供できるか」「企業を大きくしながら、企業文化を維持できるか」のみだ。ツイッターはすばらしいビジネスモデルで、現状のところ全てがうまくいっている。