要するに、この問題は、近畿財務局が入札に付さなかったという初動ミスがあり、さらに随意契約で相手方になった森友学園が問題だったわけで、昭恵夫人らの働きかけで大幅値引きが行われたわけでもない。

 加計学園については、獣医学部の新設が50年以上も文科省によって認められてこなかったということが問題なのだ。

 それは文科省告示によって認可申請を行わせないという、およそ一般常識からは考えられないものだ。もし、これが一般の企業であれば、行政訴訟をすれば、確実に文科省が負けるだろう。相手が文科省が所管する学校法人だから、こうした理不尽な告示があったのだ。

 獣医学部の新設で行われた規制緩和というのは、文科省による学部新設の認可ではなく、認可を「申請」していいという「規制緩和」だ。

 これでは、いくら首相や首相秘書官が認可で特別な便宜を与えたとか、加計学園理事長が便宜を受けたのではと叩いたところで、筋違いだ。国会やマスコミのやっていることは、まったく意味のない、いわば「真空斬り」である。

北朝鮮問題で
「盟友」ぶり示して存在感

 与党が勝った第二の要因は、国際的な政治環境の激変だ。北朝鮮情勢は目まぐるしく変化している。6月12日には、シンガポールで歴史的な米朝首脳会談が開催された。

 トランプ大統領と金正恩委員長が署名した共同声明は具体的な内容が乏しいとする批判もある。しかし、事前の実務者による交渉期間が少なく、トップがガチンコの政治交渉をしたことを考えれば、まずまずの成果だろう。

 それにしても、共同声明署名後に、トランプ大統領は記者会見で、安倍首相の名前を何度も出した。安倍首相が、今回の米朝首脳会談にあたって深くかかわっていたことが改めてわかったのではないか。

 トランプ大統領が、米朝首脳会談を韓国の板門店かシンガポールのどちらで開催すべきかを安倍首相に聞いてきたとき、首相は、板門店では、南北首脳会談の延長戦、二番煎じになるとアドバイスしたという。

 これは、文在寅・韓国大統領の「出番」を遮り、日本の存在感を示したということでは、日本の国益を高めた外交上のナイスプレーだった。