W杯によるロシアの経済効果は、
名目GDPの0.2%程度

 ロシア大会の組織委員会によると、今回のW杯がロシアのGDPに与える影響は、2013年から2023年までの間で260億米ドルから308億米ドルに達する模様です。日本円では3兆円前後と言うことになります。

 3兆円と聞くと大きいように感じますが、ロシアは経済規模が大きいので、ロシア全体に与える経済的な影響に鑑みると、あまり大きいとは言えません。

 具体的には、ロシアの名目GDPが2017年で大体1兆5000億米ドルですので、300億米ドルは、GDPの2%程度と言うことになります。これは10年間で得られる数字ですので、1年の効果を単純平均で求めればGDPの0.2%となり、その経済への影響を強く感じるかと言えば、そうではないというのが答えになるでしょう。

 実際、米国の格付け機関のムーディーズが、ロシア大会の経済効果を検証しています。その結論は上でのコメントと同様です。ムーディーズは「経済刺激効果はあるものの、その大半はインフラ関連投資であり、その果実の多くは既に実現している。また、ロシアの経済規模は大変大きいため、ワールドカップがもたらす経済的効果は国全体では限られたものとなろう」としています。

 ただし、開催地に選ばれた都市の規模が小さい場合は、インフラ投資や観光客の訪問による経済的効果は大きいと考えられています。前述の日本の初戦が行われるサランスクがいい例です。

開催地ロシア以外でも関心の高いW杯
ドイツW杯の視聴者数は延べ263億人!

 一方、世界的な視野で見ると、サッカーは国際的な競技人口が多く、その人気の高さからTV観戦に積極的で、現地に試合を見に行けなくても、自宅や友人等と、試合を楽しむ人々が世界中に数多くいると考えられます。

 試合は平日にも開かれるため、サッカー人気が高い国では、勤務時間中のサッカー観戦を会社としてどう扱うかが問題になることも多いようです。例えば、イギリスでは、法律事務所が企業向けにその対応策についてのレポートを発行し、相談に乗るとしているケースもあります。