“ファミマドンキ”は行儀良すぎて「中途半端感」が否めないファミマとドンキが融合したドンキ流ファミマ店舗はどうなるか? Photo:DOL

ファミリーマートはドン・キホーテ流の商品政策や運営を取り入れた「ファミリーマート プロデュースド バイ ドン・キホーテ」の出店を始めた。6月下旬に世田谷鎌田三丁目店がオープンされる予定で、すでにオープン済みの立川市、目黒区と東京都内に3店が展開される。しかしあくまで私見を言わせてもらえば店舗を見た限りではドンキのあのバラエティ感、安さ、そして最大の売りである“猥雑感”が感じられず、「ファミマドンキ」の“中途半端感”は否めない。ドンキは独自にコンビニや小型店を出店してきたが、一向に多店舗展開に弾みがつかない。なぜ小型店は成功しないのか。ドンキ流ファミマ店舗の3つの疑問を挙げてみた。(流通ジャーナリスト 森山真二)

ファミマドンキは
ドンキ独特の“うさんくささ”がない

「ファミマドンキ」についての1つ目の疑問は「ドンキ独特の“うさんくささ”のある品ぞろえになっていないのではないか」である。

 ドンキはご存じの通り、あの猥雑とした品ぞろえ、そしてなんとなく“うさんくさい商品”や極端な安売り商品があって、それが重なり合って“ドンキの世界観”を表現してきたといっていい。

 レギュラードンキではほとんどの店で、アダルトグッズが恥ずかしげもなく、堂々と売られているし、そのコーナーはカーテン等で通常の売り場と仕切られていることも多いが、「ファミマドンキ」にはそうした「怪しい商品」が見当たらない。

 しかも、ドンキによくあるナショナルブランドではない、あまり知名度の高くない商品、「へぇーこんな商品があるのか」という珍しい商品も多くはなく、ドンキのいうところの何が出てくるか分からない「ジャングルに迷い込んだようなワクワクドキドキ」感を抱けないのだ。