日本は異業種の銀行参入に寛容
日本は、銀行以外の業種企業が傘下に銀行を持つ形での銀行業参入に対して、比較的寛容な国だ。これまでもソニー銀行を始め、セブン銀行や楽天銀行など、金融以外の業種が親会社である銀行が世に出ている。
こうした異業種からの銀行は、対面営業の証券会社に対するネット証券のように、インターネットを使って銀行のサービスを低コストで、あるいは便利に提供するビジネスモデルもあれば、コンビニなどにATMを多数設置して、利便性を提供することで手数料を取るようなモデルもある。前者では電機メーカー・ソニー傘下のソニー銀行、後者ではコンビニエンスストア最大手・セブン−イレブン傘下のセブン銀行が共に老舗で代表格だろう。
ただし、こうした新銀行が参入を決めた当時、銀行業界の側には、異業種新銀行に「食われる」という危機感はほとんどなかった。バブル崩壊後の不良債権問題などはあっても、金融行政の手厚い庇護の下で厳しい生存競争にさらされず、生存を守られるという環境の中で、投資信託や保険の販売が認可されるなど新しい食い扶持まで与えらるといった“厚遇”を満喫してきた。