朝鮮半島をめぐる関係国の首脳外交で最後に残った日朝首脳会談に向けて動きが始まっている。
安倍晋三首相は6月12日の米朝首脳会談の結果を受け、早期に日朝首脳会談を実現するよう関係当局に指示した。最大の懸案である拉致問題について、金正恩朝鮮労働党委員長は米朝首脳会談で「日本人拉致問題は解決済み」との従来の姿勢を示さず、日本と対話する考えを示していた。正恩氏は4月27日の南北首脳会談でも同じ姿勢を示している。
だが一方、ラヂオプレスによれば、北朝鮮の国営ラジオ平壌放送は15日夜、日本人拉致問題に触れて、「日本はすでに解決された拉致問題を引き続き持ち出し、自らの利益を得ようと画策した」と伝えた。日本政府の対応について「無謀な北朝鮮強硬政策にしがみついている」とも主張した。朝鮮中央通信も5月13日に「拉致は解決済み」と主張していた。
この食い違いをどう理解すればいいのだろうか。すでに日朝首脳会談の前哨戦が始まっていると見るべきだろう。