韓流スターの日本での公演MCを始め、国内外のイベントを盛り上げているYumiさん。年間で平均150公演以上を担当、この10年で延べ300万人の韓流ファンから支持されるトーク術のノウハウを明かした『初対面でも盛り上がる! Yumi式会話力で愛される29のルール』も好評発売中。
旬の人たちとの対談対談の第二回は、前回同様、韓国でロングランを続けるミュージカルに、たったひとりの日本人として主演を務める野島直人さん。
劇団四季を経て、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役やアンジョルラス役を歴任した彼が、韓国語をまったくしゃべれない状態なのに、思い切って韓国のミュージカル界に飛び込んでいった話などを詳しくうかがいます。

ハングル語がわからなくて、
独学で猛特訓

Yumi:さて、前回は、ミュージカルで曲が流れない…というアクシデントをアカペラで乗り切ったというピンチが一転、本国韓国での主演につながったということをうかがいましたが(詳しくは第1回

野島:はい、でも実は、そこからが大変だったんです。その記念すべき2000回公演予定が11月だったのですが、待てど暮らせど、台本が届かない。結局、手元に来たのが、9月下旬だったんです。

Yumi:もちろん、すべて韓国語ですよね。

野島:はい、さらに「周りを納得させるために、公開のオーディションをするから」と言われて、その日程が10月中旬くらいだったんです。え、あと1ヵ月ないじゃん、みたいな(笑)

Yumi:うわ~。

野島:それで、そもそもハングル語が読めないので、大韓航空に勤めている知り合いに、頼み込んで、仕事終わりにカフェでまずは台本を読み上げてもらうことから始めました。僕がそれを聞いて、カタカナでルビをふっていったんです。

Yumi:メロディは一緒でも、韓国語ですもんね…。

野島:そして、なんとか僕の部分だけ丸暗記して韓国に行ったんですよ。
さらに…オーディションっていうから、関係者の前で歌うのかなと思うじゃないですか。

Yumi:違ったんですか?

野島:はい。行ったら、舞台も用意してあって「まずは衣装に着替えてもらえます? あ、それと、動きは日本と一緒でいいから」って監督から言われたんですよ。そして、プレス関係者が30人くらい集まっているんです。プレスコールといって、記者会見みたいなもので、「2000回公演千秋楽は彼が主役です!」と紹介されて…。

野島直人(のじま・なおと)

1981年群馬県館林市生まれ、高校まで埼玉県で過ごす。
2000年劇団四季歌唱クラシック部門合格。研究生を経て2001年劇団四季ミュージカル『九郎衛門』(現:『むかしむかしゾウがきた』)太郎坊役(主演)にて初舞台。
退団後はミュージカル『レ・ミゼラブル』マリウス役やアンジョルラス役を歴任、韓国ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』日本公演初演ヴィンセント役(主演)などを務める。韓国ミュージカル『パルレ』では日本公演初演、再演、再々演、さらに韓国語にてソウル公演に2012年、2014年と短期間の参加、2015年~2016年にかけて3ヵ月にわたって参加し、日韓両国にてソロンゴ役(主演)を務める。今年の7月から再びソウルにて『パルレ』21期キャストとして大学路公演に出演予定。チケット購入など詳細はこちら https://ameblo.jp/nojimanaoto/

Yumi:それで、どうしたんですか?

野島:共演者もちゃんと準備ができていて、本番と同じように演じることになったんです。記者さんたちの前で。15分くらいのシーンですかね…。

Yumi:それで、やっちゃった?

野島:やるしかないですよね(笑)必死で演じきったんですが、演出の方が「続きできる?流れがいいから、このまま続きやろう」って。それも7分くらい。

Yumi:当日、いきなりってすごいですね!

野島:念のために、一応自分の曲の部分は覚えていきましたけど、周りは何を言っているか全然わからないし…。さらに相手役のセリフまで覚える余裕がなくて、もう必死で相手の目を見て話すタイミングを見たりして…。

Yumi:あ、でも、その言葉もわからない一生懸命さが、外国人の移民労働者であるソロンゴらしさがより出ていたのかもしれないですね。

野島:YouTubeにそれが残っていて、今見ると発音もあまり良くないなあ、って思えるんですが、必死さは伝わってきますね(笑)