ベランダでの喫煙もトラブルになることが多い
写真はイメージです

夏の夜、窓を開けると
涼風と共にたばこの煙が

 (ちょっとは涼しくなったかしら)

 夜10時すぎ、奈々さん(仮名・38歳)はエアコンを止め、窓を開けた。まだ6月だというのに、今年はやけに暑い。日中は「炎天」という表現がぴったりの猛暑が続いており、ほぼ一日中、エアコンをつけっ放しだ。

 都心から電車で20分ちょっとの立地ながら、近隣に大きな公園や神社があるからだろうか、街中と比べたらだいぶ過ごしやすい地域ではある。春先にはウグイス、夏の夕暮れ時には、ヒグラシ(セミ)の、カナカナカナという涼しげな鳴き声が響き渡る。

 レースのカーテンをふわりと持ち上げ、開け放した窓から爽やかな風が入ってきた。

「気持ちいい、今夜は熱帯夜じゃないみたいよ」

 夫の明憲さん(仮名・40歳)に振り返り、笑顔で告げた。

「いいね、じゃあビール飲もうか」

 缶ビールをプシュッと開け、乾杯した、その時だった。風にのり、ツーンと鼻につく、たばこの臭いが入り込んできて、奈々さんは軽く咳き込んだ。マンションのベランダのどこかで、誰かがたばこを吸っているようだ。

「だめだわ、ホタル族よ。もう勘弁してくれないかな」