この夏、旅行で飛行機を使う人も多いのではないだろうか。せっかく乗るなら、気持ちの良いサービスを受けたいものだ。そんな旅行者の期待に応えようと、JALとANAは路線網の充実に加えて、機内の座席やサービス、空港ラウンジの改良でも火花を散らしている。顧客満足度を上げる最前線を追った。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2017年11月4日号『10,000人が選んだベストホテル&エアライン』を再構成したものです。
足を踏み入れると、大きな窓からは青色の翼がよく見える──。ANAはこの秋から、著名建築家の隈研吾氏監修の下、主要空港の国内線ラウンジを刷新していく。第1弾の新千歳は、滑走路に面した場所に移転し、面積を2倍に拡張。明るく開放的な空間に生まれ変わらせた。
ラウンジだけではない。エンジン音が非常に静かなエアバスの新型機A321neoを他社に先駆けて導入。国内線仕様機としてはANAで初めて、全席にシートモニターを付けた。加えてプレミアムクラスの機内食もリニューアル。路線別にメニューを一新し、高級感のある盛り付けに変えた。
ANAが今、国内線のサービス改革に力を入れるのはずばり、JALの後塵を拝しているからだ。ANAが路線を拡大する間、JALは路線に投資できない分、機内のシートや飲食、空港ラウンジに資金を投じて徹底強化してきた。